独立行政法人 労働者健康安全機構 石川産業保健総合支援センター ishikawa

産業保健Q&A

労働衛生関係法令

Q5
中規模程度の診療所ですが、診療放射線技師に対する健康診断は、定期健康診断及び放射線業務健康診断のすべての健診項目を6ヶ月毎に実施しなければなりませんか。
A5

 労働者の健康状態を継続的に把握するためには、労働安全衛生法で定める「定期健康診断」や「特殊健康診断」定められた項目を規定の頻度(6ヶ月毎)で受診させることがよいのですが、お尋ねのありました「定期健康診断」及び「放射線業務健康診断」に限って、労働安全衛生法で省略できるものをまとめると次のとおりです。

 まず「定期健康診断」についてみますと、労働安全衛生規則第44条第1項に定める1号から11号までの項目のうち、1号の既往歴等、2号の自覚症状、他覚症状、5号の血圧測定、10号の尿検査を除いて、医師の判断で項目の省略ができます。(労安則第44条第3項、基発462号通達)
 また、直近6ヶ月以内に放射線業務健康診断で実施した定期健康診断項目に限って定期健康診断時に省略することができます。
 ついで、「放射線業務健康診断」ですが、電離放射線障害防止規則第56条第1項に定める1号から5号までの項目のうち、1号の被ばく歴、3号の赤血球数、血色素量検査を除く、2号の白血球数、白血球%、4号の白内障検査、5号の皮膚の検査について医師の判断で省略ができます。
 また、1年間に実効線量が5ミリシーベルト以下で、以後1年間にこの線量を超えるおそれがない場合には、医師の判断で、2号の白血球数、白血球%、3号の赤血球数、血色素量、4号の白内障検査、5号の皮膚の検査を行わなくてもよいこととなっています。
 ただし、これらの健診項目の省略を担保するために電離放射線障害防止規則の改正があり、電離放射線健康診断個人票の「問診」に自覚症状欄が追加され、医師による項目省略のための「評価」の欄が追加されたのでご注意ください。

(THPヘルスケアリーダー 第一種衛生管理者 山田邦夫)

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