独立行政法人 労働者健康安全機構 石川産業保健総合支援センター ishikawa

産業保健Q&A

労働衛生関係法令

Q6
衛生管理者の業務について、具体的に教えて欲しい。職場巡視の仕方及び記録する内容がわからない。
A6

ご存知のように、衛生管理者は、労働安全衛生法第12条の規定に基づき、通常、従業員規模が50人以上の事業所では選任することになっています。そして、衛生管理者の職務内容は、概ね、つぎのものとされます。
1.健康に異常のある者の発見及び措置
2.作業環境の衛生上の調査
3.作業条件、施設等の衛生上の改善
4.労働衛生保護具、救急用具等の点検及び整備
5.衛生教育、健康相談その他労働者の健康保持に必要な事項
6.労働者の負傷及び疾病、それによる死亡、欠勤及び移動に関する統計の作成
7.衛生日誌の記載等職務上の記録の整備
なお、職場巡視は、少なくとも毎週1回とし、設備、作業方法または衛生状態に有害のおそれがあるときには、直ちに、作業者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならないとされています。
お尋ねの職場巡視の内容、方法についてですが、まずは、あなたの事業所の全部門を一度巡回してみましょう。その際、部門の責任者と同行し、日頃、課題となっている事柄なども情報収集します。作業者の生の声も聞いてみましょう。さらに産業医の巡視に同行し、専門家としての視点や意見もお聞きし、衛生管理者巡視の計画等の参考とします。作業環境測定を実施しているようでしたらその作業場所の巡視も重要です。過去、社内で発生した労働災害の記録や労働基準監督署に提出した労働者死傷病報告の写し、同業他社での災害事例などにも注意しておきましょう。
以上の準備を経て、巡視のポイント、順序、方法、同行者などをまとめればいいわけです。職場の安全衛生委員会等で職場巡視のルールや実施計画などを審議課題とします。審議の過程をとり、職場全体の理解のもと、巡視が実施されることが重要です。
巡視の結果、改善事項がありましたら、上司や部門長へ報告。改善実施状況のフォローも重要です。これらも安全衛生委員会に報告しましょう。

巡視記録は、定型のフォームはありませんが、巡視日誌として、4H(when,where,who,what)をもとに記録しましょう。改善の必要な事項を、特記事項として整理しておき、事後の対応をフォローしましょう。

(やわたメディカルセンター 地域医療連携推進部長 古川眞之祐)

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